Feb,12 2006 Columns vol.9 孫子

ちょうど今スノーボードHP男子予選が終わった。
メダルの期待が大きかったこの競技、終わってみれば全員が予選敗退。厳しいね、波乗りと同じで採点競技だけど2本しか試技が出来ないから出し切れなければ終わり。でもそういったレギョレーションは急に決まったわけじゃないからね、出し切るためのメンタリティーとか含めてメダルに手が届く可能性が高いのか聞いてみたいよ。

曹孟徳孫子に曰く「善戰者、致人而不致於人」(名将は常に自分が主導権を握っていて他人に主導権を奪われる事は無い)※孫子といっても現存するのは曹操が13篇に分け注釈をつけたものだが・・・。
一見駆け引きとか無さそうに見える競技形態だけど、心理戦は確実にそこに有る。(特に)アメリカの選手は一発目に大きいの入れて来るね、リスクは高いけど成功すれば後の技もリラックスしたより良い演技に繋がってる、勿論自信に裏打ちされたものだろうけど気持ちとかの持って行き方が日本選手と比べると抜群に上手い。ここで高いスコアをメイクできれば後続の選手にプレッシャーを掛ける事も出来る。
日本は技術じゃ世界トップレベルでもメンタリティーの部分では遅れてるのかな?

毎度オリンピックじゃ"美人アスリート"って騒がれる選手がいるけど、今回の日本選手団の中ではフィギュアの安藤美姫とモーグルの上村愛子。上村は長野以降けっこう露出が多かった。二人とも注目選手だけに競技へ向けてのトレーニングから私生活まで、マスコミの露出は多い。
孫子に曰く「多算勝、少算不勝、而況於無算乎」(勝つ算段多ければ勝ち、少なければ勝てない、ましてや勝算無ければ戦う事すら憚られる)
モーグルの上村、これまで秀でた物が無くトップを追いかけるだけでは五輪でメダルに手が届かないと考えた彼女は強力な武器を手にしようと女子で解禁になったばかりの3Dエアを取り入れ鋭意取り組んでいた。
2004-2005シーズンのワールドカップ、完成途上のこの技を実戦に用いて惨敗続きだったが今シーズンはエアの完成度が高まり優勝するまでになったそうだ。いかに高難度の技を得ようと実戦で出来なかったり成功率が高くなければ出来ないのと大差ないよね。実戦に拘り、実戦での完成度を高めるために実戦でやり続けたその気持ち・信念に敬意を表すよ、本当競技へ向かう強い気持ちを感じた。
ただ、 惜しむらくはレギュレーションとの相違、いかに素晴らしい武器を手にしても評価対象としてエアの比率が25%でコブを早く滑るというスキー競技の基本的な部分が50%では速く綺麗に滑降する方が点の伸び代が大きい。だから他の選手に速く綺麗に滑降されるといかにエアを決めても滑りが平均程度では敵わない。結果彼女自信若干のミスも有った様だが5位に終わった・・・彼女のような素晴らしいエアを使わなかった・使えなかった選手が彼女より上位に来ていたのは、やはりエアよりも滑降の方が点の伸び代が大きいという事だろう。
見ている方(ギャラリー)はエアって見せ場だからもう少し点を取れるようにしてくれないとつまらないし、競技的にも3Dエア解禁にした意味が薄いと思う。メダルには届かなかったし結局滑りの部分での足らなさがより見えてしまう結果で残念だけど、ソルトレイク以降の彼女の動向含めて良いものを見せてもらったと思う。

恐らくトリノ五輪で日本人が一番注目しているのは女子フィギュアだと思う。 安藤美姫、可愛いし4回転ジャンプと注目大。
2004年に世界一になった荒川静香・村主章枝ともどもメダルへの期待が大きいけど、どうだろう?巷じゃ4回転って騒いでるけどね。今のレギュレーションではジャンプの評価がそれ以外に対して高く、故にトリプルアクセルをほぼ確実に跳べる真央ちゃんがつまらない年齢制限に引っかかってなければメダル確実とまで言われている。海外メディアの方が騒いだよね、今なら普通にやってメダルに届くけど4年後には解らないのにね。
安藤は4回転という他の選手に無い一撃必殺と言ったら大袈裟だが強力な武器を持っているが、実戦での使用は殆ど無いし練習での成功率も低い。試合においてコーチが使用を止めたりした事も有るそうだが実戦で磨かれていない物に期待して騒ぎ立ててどうする?今シーズンは試合で1回も跳んでいない4回転、五輪代表から洩れないようにって安全に無難に試合してきた言い換えれば勝負をしていない彼女、そんな状態で魔物が居るって言う五輪の舞台でいきなり跳べるなんて思えない。
今の 彼女自身4回転に自信は無いだろうけど彼女は悔いを残さないために跳ぶと言っているそうだ、万一跳んで成功してメダルへ届かない限りは実戦で4回転を磨く努力を怠ったと後悔するのでは?練習と実戦では同じ技でなくなるのは少しでも競技をした人間なら誰でも解る。 メディアから伝わる今期の彼女は残念ながら下を向いてばかりで何かに懸けるというものが感じられず、先の上村と対照的に感じる。
もし女子フィギュアで期待をするなら安藤の4回転より村主の執念(?)か荒川の完成度の高さになるね、安藤は可愛いから好きだし頑張って欲しいけど、気持ちというかメンタル的な部分に疑問符が付くから期待できない。
戦前、様々なメディアで取り上げられ中には4回転を跳ぶ事についての是非まで議論されていたが、それは彼女自身の問題でしょ、国の代表だからと言ってもよその国みたいに金取れば一生食いっぱぐれ無いどころか報奨金も全然大した事無いのだから国の代表を楯に論ずるのは失礼だよ、そんな外野は放って置いて欲しいね。とにかく4回転跳ぶ跳ばないは別にして、自分以外の全てを忘れ去った自分のためだけの演技をして欲しい、他競技では失敗しても攻めて失敗した選手には賞賛の拍手が送られてる、結果はどうあれ万雷の拍手を浴びる結果になって欲しい。

この五輪、 メディアから選手の周辺まで、ちょっと情報戦で負けているよね。メディアは希望的観測込みにしても大袈裟すぎるし選手とその周辺は勝ちに行くならまず準備として情報戦から戦って欲しいね。
孫子で一番有名な一節に有るでしょ「知彼知己、百戰不殆」(彼を知り己を知れば百戦危うからず)

良化? まぁ、行けんのかな?